皮膚医学や生命科学でもアンチエイジング(抗老化)、あるいは若返りの研究が行われています。
これらは西洋医学の考え方に基ずいて、薬効を捜し求めています。
しかし、皮膚のシワたるみは疾病ではなく、全ての人が経験する最も自然な老化メカニズムです。
仮に、劇的にシワやたるみが消える薬が発見されたとします。
それは皮膚の細胞分裂に逆行するがん細胞のような皮膚を造ることになるのか?、人間の皮膚細胞のDNAを変えることにならないか?
リスクを考えると到底受け容れ難いものになるのではないでしょうか。
二十数年間、皮膚のシワ・たるみ研究班のメンバーとして、多くのモニターによる約18年間の追跡試験(同一人物による継続使用試験)で、シワたるみ、皮膚のキメなどの試験を行ってきました。
その結果、一日6時間から8時間の物理的な引き締め機能を付加したクリームに高い評価を見出すことが出来ました。
一般的な化粧品、医薬品は成分の薬効があって初めて認知される訳ですが、今話題の顔面マッサージやこのような物理的な引き締めをするメカニズムは、効能効果における評価の対象から外されています。
しかし、理論的には推測の域であり、詳細の解明ができていないものをお話することは不確実と思いますが、長期に渡る継続試験のひとつの経過過程における考察として、皆さんに朗報だと思うことは何としてもお知らせするべきだと考えて、あくまでも私見の域を出ませんがお許しいただきたい。
(このような長期的に物理的な引き締め刺激で皮膚のシワたるみを予防、改善させるメカニズムの研究は他ではありません。)
シワの予防について、皆さんがよくご存知の保湿などで改善する、表皮の小ジワ(仮性のシワ)については情報が溢れておりますので割愛しますが、保湿では対応できない真皮で起きるシワ(真性のシワ)について触れることに致します。
気になるシワ、老けた印象に見られるなど、容貌が変化するのは大部分はこの真皮で起きる弾力を保っている線維芽細胞のコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの減少、弾力線維や表情筋などの脆弱化からくるシワ、あるいは骨から皮膚を支えてる皮筋などの脆弱化によるたるみからくるシワなど様々です。
これらのシワに共通するのは顔面を走行する表情筋に直交して発生するということです。
しかも、シワの発生部位は皮膚を指で摘める程、皮膚のたるみを伴っているということです。
このことから判るのは皮膚の真皮部位の張りが失われてくると表皮と真皮の間に皮膚の張力のバランスに歪が生まれ、それが皮膚のたるみとなって溝の深いシワで現れてくるのです。
シワにはいくつかの種類があります。
眼輪筋の周りにできる目の周りのシワ、口輪筋の口周りにできるシワ、後頭前頭筋によりできるおでこのシワである。眉間にできるシワは運動性のシワであり、性質は少し異なります。
どうすれば予防できるか?
何が効果的か?ということになりますが、シワたるみを作らないためには皮膚の弾力による張力を保つことです。
皮膚老化は受け継がれた遺伝子、生活習慣や食生活、ストレスなどによる内因的なもの、紫外線や皮膚トラブルなどの外因的なもので大きく左右されると思いますので、皮膚のお手入れに限って一般論としてお話します。
自分で出来ることは、毎日
潤いをしっかり保つこと、日常的に顔全体に良い刺激を与えて表情筋などを解しながら血流やリンパの流れを良くして新陳代謝を促進させることです。このときに重力の影響で表情筋や皮筋がたるんで下のほうに引っ張られて延びているので、できるだけ下から上へ引き締めて引き上げる動作が望ましいのです。
今話題の顔面マッサージなどで下から上へ引き締めながら引き上げる動作で施術前、施術後で明らかな顔の形態変化を目撃された経験があると思います。
顔の皮膚も強張ったり、血流が悪くなって血色やリンパの流れが滞るなど知らない間に様々な機能低下に陥っています。
お風呂上りの顔がふっくらとしていると感じたことがありませんか?
全身の血流が良くなることでお顔の血流やリンパの流れが改善されるからです。
このように顔の皮膚も身体の状態に相応します。
極論になりますが、頬をビンタで叩かれると後で膨れてくる、または、皮膚の痒みを掻いてると皮膚が膨れ上がるなどを経験された方も多いと思いますが、このような強い刺激だけではなく、手で擦るような弱い刺激でも皮膚は反応してきます。
日常的に刺激を与えて、血流やリンパの流れを良くして新陳代謝を促進させることで皮膚の弾力による張りを保つことができます。
皮膚は何もしなくても段々たるんできますので、引き締めて、引き上げる運動が効果的です。
しかし、顔面マッサージの直後はお顔がリフトアップしてシワやたるみが改善するのですが、しばらくするとすぐに元に戻ってしまいます。
残念ですがこれらは全て一過性なのです。
もっと効果的な方法はないのか?と言うことになりますが、それは「どうすれば良いの?今あるシワ」の項でお話する予定でしたが、予防と密接な関係があるので、今までの研究から判ってきたことを、これからお話することにします。
皮膚のような生きてる細胞は勘違いをすることがよくあります。
例えば、以前に世界で最も権威のある学術雑誌のネイチャーにも論文掲載されましたが、正常な皮膚の上から黒色メラニン(異常メラニン)を含んだクリームを塗ると、あたかも皮膚に黒色メラニンが出来たと勘違いして、皮膚細胞が黒色メラニンを分解しようと細胞賦活するのです。
また、皮膚の接触アレルギーなどはこの錯覚?が過剰反応したときに起きてきます。さらには、心の状態を顕著に表すこともあります。
気持ちが悪いときに鳥肌が立つなどはこの例でしょう。
私達の間でもよく知られていることですが、純粋な精製水を少しまがまがしい化粧水と吹聴して被験者にモニター調査すると、かなりの確率で湿疹が発生するのです。
このような発想から、シワやたるみのある皮膚の上から、シワを平滑にして、たるみを収縮させて引き締めながら皮膚に人為的な張りを造る透明のベールのようなものを塗れば、真皮はそれを表皮だと錯覚して、たるんでいた真皮が表皮に追随するために細胞賦活されて、張りを取り戻すのではと考えました。
透明のネットのようなもので顔を包み込んでサポートできるものがあれば、重力に負けない弾力のある張り感を皮膚に記憶させることができる・・・と考えました。
そして、月日は流れ、やっと、顔の皮膚を物理的に引き締めて引き上げる働きを持つ真皮が皮膚と勘違いする物質を、※生体構成誘導体成分(人体を構成する成分で重要な成分)が持つメカニズムから見い出して、何千回と失敗しましたが、やっとその成分のメカニズムを取り入れたクリームを作ることが出来ました。
この生体構成誘導体成分含有クリームは、皮膚に拒絶感を感じさせないで何十時間と物理的な引き締め、引き上げ運動を続けるので使用中はもちろんのこと、洗顔してクリーム成分を落としても2〜3日後もまだ特殊メイクのようにシワたるみが消えているのです。これはスゴイ!皮膚の矯正ができると思ったのですが、相手は生きている皮膚です。
あまりにも矯正力が強すぎて、知らず知らずの内に顔の皮膚に大きなストレスを与えていたのです。確かに、シワたるみには抜群の効果がありました。
しかし、矯正力が強すぎて笑ったりするときにギコチナイ皮膚の動きをするのです。そこで初めて皮膚の生理メカニズムを知ることになり、24時間の生体リズム(約8時間は睡眠、約8時間は仕事と)は私達の日常のリズムと同じであると。
研究を続けて行くうちに矯正力を6時間〜8時間にすることで、皮膚に記憶(癖付け)させるベストタイムであるということ、皮膚にストレスを感じさせない時間内であるということを知りました。
そして、体調の変化や個人差で日によって異なる皮膚の生理メカニズムを感知することができるように皮膚から皮脂の分泌量を捉えて、それを皮膚の代謝のシグナルとして感知して矯正力を弱めて最終的には普通の保湿クリームへと変化していくようなゆらぎを取り入れたクリームのメカニズムにしました。
このクリームの物理的な皮膚の張りを造りだす矯正メカニズムによる皮膚の癖付けは大学病院の先生方によって「シワたるみを外科的手術によらない方法として」臨床からのアプローチとして日本臨床皮膚外科学会、日本香粧品学会などで発表されています。
このように、物理的なよい刺激を恒常的に皮膚に与えることによる効果は、予防だけでなく、今あるシワやたるみに対処する方法として考えています。
|