皮膚は、外側から表皮、真皮、皮下組織、筋肉に分かれていますが、この皮膚の厚さは表皮で約0.2ミリ、真皮で約2ミリ程です。
極薄い表皮は外側から角質層、顆粒層、有きょく層、基底層となっています。
化粧品で言う皮膚や肌はこの表皮の部分を言います。
巷で加齢と共に、真皮のコラーゲンやヒアルロン酸などの減少による・・・だから、コラーゲンやヒアルロン酸を補いましょう・・・と言うことをよく聞きますが、皮膚は排泄器官ですし、補うと言っても皮膚から高分子樹脂が吸収されることはありません。
皮膚の弾力を保つコラーゲンやエラスチンを生産する線維芽細胞、ヒアルロン酸などは表皮の奥の真皮層に形成されていますので、外皮から補うことはできません。
また、コラーゲンやヒアルロン酸を飲食したとしても、それがそのまま真皮層に届く訳ではありません。
胃や腸で分解されて普通の食べ物と同等に消化・分解されてそれぞれアミノ酸の一種として吸収されるのです。
食べないより食べた方が良いという可能性として考えた方がよいのでは。
「シワはなぜできるか?」の項でも書きましたが、保湿で出来るのは表皮の乾燥ジワ(仮性のシワ)です。保湿に過信してはいけませんが、表皮の水分が減少すると真皮から補給される仕組みになっていますから、真皮の水分が奪われていくことになります。
健康的な皮膚の水分量は表皮で15%位、真皮で50%位ですが、乾燥した空気で肌がカサつくときや、寝不足やストレス、体調不良などで細胞そのものが水分不足になり、真皮からも水分が失われます。
元来、シワや溝は赤ん坊のときにすでに用意されているとお話しましたが、顔の表情を作るために、顔のどの部分に皮膚のゆとりを持たせるかDNAで記憶されて作られています。
いつまでも皮膚の張りを失わなければ顔にシワや溝の痕跡として残ることはないのですが。
肌のキメも真皮の状態が影響します。
張りを保つために、真皮のダメージを表皮で防御することが重要です。
この真皮を守るために防波堤である表皮の状態がカギになるのです。
真皮の細胞を守って、肌のキメの衰え、シワや溝の形成を出来るだけ遅くする、出来るだけ予防するために表皮の潤いは大切です。
常日頃の行いが将来の真皮の状態を決めると言っても過言ではないでしょう。
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